亀井歯科のお子さまの治療に対する考え方
お子様の治療を行うときに最も大切なことはお子様が歯科の環境に「慣れる」ことと考えています。
診療室に入る、診療台に座る、診療台の上で口を開けることは大人にとっては簡単なことですが、初めて歯科医院に来院されたお子様にとっては大変ストレスを感じることと思います。
最初はまず歯科医院の環境に慣れることから始めていきます。
それにはできる限りむし歯がない時から3~4か月に1回くらいの定期健診を受けてもらうようお願いしています。
定期健診の中で、少しずつ診療室に入る、診療台に座る、診療台の上で口を開ける等の行為はもちろんのこと、歯科衛生士が歯磨きの状態をチェックしたり、磨き残しの部分に対して歯磨きをしたり、むし歯の予防効果の高いフッ素入りのペーストを塗布したりします。
また、少し慣れてきたお子様には機械的歯面清掃器具を用いて歯面清掃を行います。
この器具はむし歯治療時にも使用する器具なので、このようにステップを踏んでいくと、もしむし歯治療が必要になった場合にも、比較的スムーズに治療に移行することが可能です。
それよりもむし歯治療が必要無い状態を維持することが最も重要なのですが。
また、お子様の診療に従事していると目を見張るような成長を目の当たりにすることがあります。
以前は全然口を開けてくれない子が、徐々に一人でユニットに座れるようになり、あっという間に普通に治療を受けてくれるようになっていることもあります。
お子さまにも予防が大切です
当院では、お子さまをむし歯から守るために、歯にフッ素の塗布をすることを推奨しています。
フッ素は、自然界に広く分布している自然元素のひとつで、毎日の食事を通して私たちの体に摂取されています。歯を強化する効果が高いことから、世界各国でむし歯予防に積極的に利用されています。
フッ素には、
・初期むし歯を修復する
・歯を強化する
・むし歯菌を抑制する
などの働きがあります。
お子さまをむし歯から守るために
お子さまのうちからむし歯を守るための生活習慣が身に付いていると、大人になってからもむし歯や歯周病にかかるリスクが格段に減少します。
<身に付けたい歯を守る習慣>
・正しいブラッシング方法を身に付ける
・仕上げ磨きを行う
・むし歯予防の効果の高いフッ素入り歯磨き剤を使う
・フッ素洗口液を積極的に使用する
・糖分を含んだ間食や飲み物の摂取回数を少なくする
乳歯だからといってむし歯を放置しておくと・・・
むし歯を放置しておくと、症状は悪化するばかりです。
歯冠(歯の頭の部分)が崩壊してしまうと、後ろの歯が前に移動したり、手前の歯が傾斜したりして、歯列がガタガタになるリスクが高くなります。そうなると乳歯が抜けて、その後永久歯が生えてきてもよい歯並びにはなりません。
かかりつけの歯科医院を持つ子だと歯科嫌いになりにくい?
治療を行うとき、そのお子さまが「歯科医院に慣れている」かどうかは重要なポイントです。
歯科医院の雰囲気に慣れていないと、お子さまは泣いたり騒いだりして治療を拒否し、無理やり治療を行えば、さらに歯医者嫌いになってしまいます。
かかりつけの歯科医院があるならば、お子さまは、自然に歯科医院の雰囲気に慣れていきます。
しかし、かかりつけの歯科医院がない場合、お子さまが歯科の環境に慣れるまでに時間がかかってしまいます。
結局、すぐに治療に入ることができず、治療開始までに時間を費やすことになれば、病状が悪化するなどの不利益が生じることがあります。
学校検診でのむし歯の発見には限界がある?
学校検診では対面式(歯科医師が患者に向かい合って座る)で健診を行います。
この健診では特に奥歯が大変観察しにくいため、どうしても見落としが起こってしまいます。
また、口腔内を照らすライトが不十分であることが多いのも見落としの原因となります。
しっかり検診を行うにはやはり歯科医院のユニット(診療台)の上で患者さまが水平に寝た状態で行うことが必要です。
また、歯科医院であればむし歯かどうかの判断が難しい場合にはレントゲン検査を行うこともできます。
もし、検診で「むし歯なし」という結果であっても是非精度の高い歯科医院での検診を受けていただければと思います。
妊婦治療
妊娠中の歯科治療~安心して受診していただくために~
妊娠中でも歯科治療は可能です。特に妊娠安定中期(5ヶ月~8ヶ月)は比較的安全に治療を行える時期です。むし歯、歯肉炎、歯周病などはこの時期に治療し、出産までに治療を済ませておくことをお勧めします。
出産後は育児や家事におわれ、受診する時間が取れず症状が悪化してしまうこともあります。
亀井歯科での治療方法
できる限り妊娠5~8か月の安定期に治療を行います。当院では妊娠中でも患者さまが希望されれば、妊娠していない時と変わりなくほとんどの治療を行います。歯科領域のレントゲン撮影や歯科治療で使用する麻酔については胎児への影響はほとんど無いと考えますが、患者さまが拒否される場合は行いません。
妊婦さんが陥りがちな歯のトラブルとは?
妊娠によるホルモンバランスの変化により妊娠性歯周炎(歯周病)や妊娠性エプーリス(歯肉にできる良性の腫瘤)といった疾患が発症することがあります。
特に歯周病と早産・低体重児出産とは過去のレポートから明らかな因果関係があることが確立されています。また、つわり等の影響でブラッシングが不十分になることからむし歯が多発するケースもあります。
出産後に注意して下さい! ~母子感染~
むし歯や歯周病は「感染(うつる)」する病気で、最も多いとされる感染経路が親から子への感染です。
生まれたての赤ちゃんはむし歯菌に感染しておらず、様々な外からの要因によって感染していくのですが、中でもママが赤ちゃんに食事を与える時、噛んで柔らかくしたり、自分が使っている箸やスプーンで食べさせたり、といった行為によって感染してしまうことを“母子感染”といいます。
特に生後1歳7ヶ月から2歳7ヶ月の1年間が感染の危険性が高いとされています。この時期は「感染の窓」と呼ばれ、最も注意が必要な時期です。
出産後にお子さんへの感染リスクを下げるためにも、出産前にしっかりとした治療をお勧めします。
また当院では乳幼児歯科検診も行なっていますので、お子さんのむし歯予防のために、お気軽にお越しください。